現行の健康保険証は2024年秋に廃止し
マイナンバーカードへ一本化した「マイナ保険証」に切り替える方針が盛り込まれた
法律案が3月7日閣議決定されました。
経過措置として発行済みの保険証は1年間有効とみなします。
今後はマイナンバーカードを持たない人や、持っていても健康保険証と紐づけていない人
または紛失した人が保険診療を受けられるように
健保組合の保険者が申請に基づき保険証の代わりとなる「資格確認書」を無料で発行します。
資格確認書の有効期限は1年間とし更新は可能とします。
ただし、有効期限は保険者ごとに短く設定することも可能で、自動更新はできない見通しです。
資格確認書とは、氏名、生年月日、被保険者等記号番号、保険者情報などが記載され
書面または電子データで提供されます。
なお、資格確認書を利用した場合は、現行の保険証を利用した場合と同様
マイナ保険証を利用した場合よりも受診料を高く設定する方針です。
受診料の加算は2023年4月~12月までの期間限定ですが
初診時は40円(3割負担で12円)、再診時は20円(3割負担で6円)の差がつきます。
ただし、この加算がつくのは
(1)マイナンバーカードを読み取れるカードリーダーなどを設置している
(2)オンライン請求を行っている(12月までに開始することを届け出ている医療機関も対象)
上記2つの要件を満たした医療機関を利用した場合に限ります。
厚生労働省は2023年4月までにすべての病院や診療所などに対して
マイナ保険証による健康保険の資格確認システムを導入することを義務づけており
その数は2023年3月時点では病院は98%、診療所は91%が
カードリーダーの申し込みを済ませています。
そのため、2023年4月からはマイナ保険証で受診したほうが
医療費が安くなる医療機関のほうが多くなりそうです。
*参考<マイナ保険証利用対応医療機関リスト>
事業者側の事務手続きとしては、健康保険組合への加入の届出が必要なことに変わりはありません。
マイナ保険証を利用できる医療機関や薬局も限られますので
しばらくの間はマイナ保険証と健康保険組合から発行されている保険証の両方を持つことになりそうです。
また、現在マイナンバーカードを紛失した場合、再発行には1ヶ月程度かかりますが
最短で5日間で受け取れる「特急発行」の仕組みも新たに設けるということです。
t.w