一般的に取締役などの会社役員は労働者としては見なされないため雇用保険に加入できませんが
役員でも労働者としての性格が強い場合には雇用保険に加入できる場合があります。
基準は兼務役員に該当するかどうかということになります。
兼務役員の基準については役員として常時従事している職務が
他の労働者の職務の内容と同様の労働性を有しているのであれば兼務役員として扱うことができます。
■ポイント
①代表権や業務執行権を持っていないこと。
②労働時間が管理されている
出勤簿やタイムカード等の労働時間の管理状況が把握できる書類が必要。
③給料と役員報酬の割合
実態が労働者と同じ業務を行っていても、報酬が全額役員報酬で支給されていたら
労働者性を否定されてしまう可能性が高くなってしまいます。そのため労働者としての身分が認められるためには
少なくとも報酬の2分の1以上が給料で支払われる必要があります。
なお、取締役が雇用保険に加入して、退職後の失業給付を受給する場合には
受給額は給料として支給されていた金額のみによって算出されます。
④支払い方法
給料と役員報酬は合算せず分けて支払いをする。
⑤会計処理について
給料と役員報酬を区別して処理すること。
■必要な書類
・兼務役員雇用実態証明書
・定款
・議事録
・登記簿謄本
・賃金台帳
・出勤簿(タイムカード)
・組織図
・就業規則
上記の書類を踏まえて、勤務実態を総合的に判断し
他の労働者と同様の労働性があると認められた場合には雇用保険に加入することが可能となります。
t.w