1.後期高齢者医療制度とは
75歳になると、健康保険や国民健康保険の被保険者ではなくなり、「後期高齢者医療制度」という別の制度の被保険者となります。
2022年10月以降、自己負担割合は、原則として1割ですが、一定以上の所得がある方は2割、現役並み所得者は3割負担となります。
今回の改正で2割負担が追加されました。(2022年10月~)
2.負担割合の記載箇所
2022年度については、自己負担割合の見直しに伴い、健康保険証が2回送られてきます。(7月と9月)
2022.9月末までは、藤色の保険証(2022.8.1~2022.9.30)
2022.10.1~は水色の保険証(2022.10.1~2024.7.31)
その保険証の一部負担金の割合に負担割合が記載されています。
*健康保険証は原則、2年に1回送られる。
補足:毎年8月1日に自己負担割合の定期判定を行っているため、判定の結果、
有効期限前であっても医療機関等の窓口でお支払いいただく医療費の自己負担割合が変更になる場合があります。
その場合は、新しい保険証が送られてきます。
3.現役世代と後期高齢者医療制度の比較
74歳までは現役世代で健康保険や国民健康保険に加入
3割(小学校入学後~69歳)
2割(小学校入学前・70歳~74歳の者)
75歳以上からは後期高齢者医療制度に加入
自己負担割合
1割(低所得)
2割(一定以上の取得)(改正追加)
3割(現役並み所得者)住民税課税所得が145万以上
例):夫145万以上、妻0円・・・・二人とも3割負担
ただし、収入が高齢者単身世帯383万円未満、高齢者複数世帯520万円未満であれば申請することにより1割負担(基準収入額適用申請)
4. 75歳以上の方の医療費自己負担割合の決まり方
①住民税課税所得の金額
毎年6月頃に市役所等から送られてくる住民税課税通知書の「課税標準」の額。
(前年収入-給与所得控除や公的年金等控除-所得控除(基礎控除や社会保険料控除等)の金額)
②年金収入等の金額
毎年1月頃に日本年金機構から送付される公的年金等の源泉徴収票の「合計支払金額」。
公的年金等控除の差引前の年金収入額で遺族年金・障害年金は含まない。
また、その他の合計所得金額は、事業収入や給与収入から必要経費や給与所得控除差引後の金額
*不動産の売却や株の売却などの偶発的な収入・所得がある場合は、短期的に医療費自己負担額が増えるケースがあります。
5.改正後に自己負担割合が2割負担となるケース
下記の2要件のいずれにも該当する方
①同じ世帯の被保険者の中に、住民税課税所得が28万円以上の方がいる。
(1人でもいたら満たす)
②同じ世帯の被保険者「年金収入」+「その他の合計所得金額」の合計額が、被保険者世帯1人の場合は200万円以上、
世帯2人以上の場合は合計320万円以上。
6.配慮措置
施行後3年間(2022.10.1~2025年9月30日)までの間は、2割負担となる方について、
1か月の外来医療の窓口負担割合の増加額を最大3,000円までに抑える配慮措置があります。
(入院の医療費は対象外)。
払い戻しとなる方は、高額療養費として、事前に登録された高額療養費の口座に返金されます。
7.確定申告
公的年金等の収入金額が400万以下かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万以下の場合は、確定申告が不要ですが、
医療費が2割負担になった方で医療費が10万円以上の場合は、確定申告をした方が有利になる場合があります。
ビッキー