オリオン税理士法人
法人税

過年度に繰越欠損金の別表を提出し忘れた際の対処法


法人が各事業年度開始の日前10年以内に開始した青色申告事業年度において欠損金(赤字)が生じている場合には、当該欠損金額に相当する金額はその後の各事業年度の所得金額の計算上、損金に算入することができることとされています。

繰越欠損金が生じた場合には、欠損金が解消されるまでの期間、その金額を別表七に記載することとされています。

ただし、『繰越欠損金を利用したい年度において別表七を添付して是正すれば足りるとした裁決事例(裁決事例集 No.26 – 138頁、昭和58年12月15日裁決)』があり、仮に別表七を過年度に提出し忘れたとしても、欠損金が翌事業年度以後に利用できなくなるということはありません。

本裁決事例によれば、『損金の額に算入される欠損金額に相当する金額を法人税申告書に記載することは、その適用要件とされていないから、当該金額は法人税申告書の別表一(一)及び別表七の所定欄の記載の有無に関係なく、各事業年度の正当な欠損金額を基礎として算定されるものであり、法人税申告書への繰越欠損金の記載誤りによる過大控除は、繰越控除を行った事業年度で是正すれば足りるというべきである。』として、繰越欠損金を利用したい事業年度において別表一(一)及び別表七に補正を加えれば足りるものと解されます。

(HIPON)

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