(1) はじめに
原則として輸出免税の適用を受けることができるのは輸出申告書の名義人です。
しかしながら、商社等が介在する輸出取引で、商社等が輸出申告書の単なる名義人で、輸出申告書の原本は実際に輸出取引を行った者が保管しているケースがあります。
このような場合の輸出免税の取り扱いを解説します。
(2) 適用関係
以下の措置を講ずることを条件に、実際に輸出を行った者が輸出免税を適用することができます。
① 実際の輸出者が講ずる措置
イ 輸出申告書等の原本の保存
ロ 商社等に対して「輸出免税制度の適用がない旨を連絡するための消費税輸出免税不適用連絡一覧表」などの書類の交付
② 商社等が講ずる措置
イ 所轄税務署に対して、確定申告書の提出時に実際の輸出者から交付を受けた①ロの書類の写しの提出
※ 当該取引のあった課税期間において輸出免税制度の適用を一切受けていない場合には、この限りではありません。
(3) 実務上の注意点
実際の輸出者は、商社等に対して、当該取引については経理処理にかかわらず、消費税法上、売上及び仕入として処理しないよう指導する必要があります。
なお、名義貸しに係る手数料は、実際の輸出者に対する課税資産の譲渡等に係る対価であり、輸出免税の対象とはなりません。
(Hipon)