オリオン税理士法人
不動産関連

列車騒音により、利用価値が著しく低下した宅地の評価


相続により取得した宅地の周囲の騒音が激しく、路線価などに騒音の影響が加味されていない場合は、
利用価値が著しく低下した宅地として10%の評価減ができる場合があります。
(国税庁タックスアンサー No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価)
しかし、その騒音の程度や頻度については明記されていないため、財産の評価の際に上記減額を適用するかどうかの判断は難しいところです。
この評価減の取扱ですが、昨年6月にこの騒音による評価減の適用の可否について争われていた事案の裁決が下されました。

本事案は、鉄道に近接している土地で、正面路線が鉄道から90m以上離れているため、鉄道に近い部分の宅地面積の評価減の更正の請求をしたものです。
下記を根拠に更正の請求が認められています。
 ①鉄道から90m離れた箇所の路線価は騒音の影響は小さいため、路線価に騒音の影響は加味されていない。
 ②環境省が定める騒音の基準からすると、相当の程度と頻度の騒音があると認められる。
 ③固定資産の評価においては、騒音の影響を受けることによる補正がなされている。

上記の事案は、騒音がある場合の評価減を検討する際の一つの参考になるかと思います。
特に③の固定資産税評価額から検討することは、路線価と固定資産税評価額の見解が必ずしも一致していない場合があるため、確認を怠らないよう注意が必要です。
一方、鉄道との距離が近接しているとは言えないけれどそこそこ近い場合は、②と同じように騒音を測定した場合に、騒音の基準を満たさず認められない可能性があるかもしれません。

なお、裁決の詳細は国税不服審判所のにて公表されております。(下記URL参照)
https://www.kfs.go.jp/service/JP/119/04/index.html

y.s

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