年末調整の際に配偶者がコロナの影響で仕事がなくなり2月までしか働いていなので扶養に入れてくださいとの連絡があり
改めて所得税上と社会保険での扶養に入れるの要件について確認しました。
今回、見落としていた点としましては失業手当の扱いです。
所得税上では収入にはならないものも、社会保険では継続して得られるものに対しては収入としてみなされる点です。
■社会保険において収入とみなされるもの
雇用保険の失業手当、健康保険の傷病手当金や出産手当金
*失業手当の場合は日額3,611円が基準(130万円の1/12/30日)
労災保険の傷病補償給付や傷害補償給付
各種年金収入、印税、原稿料
また、基準となる1年の単位としても所得税と社会保険では異なり
所得税の場合はその年の1月~12月
社会保険では扶養にする日から将来に向かっての1年間で判断します。
*6月に扶養にする場合は6月~翌年5月の見込み額
上記のことから所得税では年間トータルで収入が基準内に収まっていれば月々の収入に多少の上下があっても
扶養の認定を受けることが可能ですが、社会保険の場合は月々の収入ベースで判断される点に注意が必要です。
月額基準としては108,334円(130万円の1/12)になりますが
一時的に月の基準額を超えたり超えなかったりした場合には扶養の取り消しにはなりませんが
継続的なものとして判断できる場合には取り消されることになります。
今後も似たような案件には注意していきたいと思います。
■参考■
所得税と社会保険の扶養要件の違い
所得税(控除対象)
社会保険
被扶養者の収入要件
給与収入103万円
*配偶者特別控除は別途あり
年間収入130万円未満(59歳以下)
年間収入180万円未満(60歳以上)
扶養者との収入関係
給与収入1,220万円
扶養者の収入の半分未満
失業保険・傷病手当金など
収入にいれない
収入に入れる
扶養の開始
その年の1月1日から1年間で判定
扶養になると見込まれる月から
範囲
6親等内の血族と3親等以内の姻族
3親等以内の親族
同居・別居
同居が原則。一時的な別居は可
3親等内の親族は同居していることが前提。
子、孫、兄弟、姉妹、父母
祖父母は同居していなくても可
内縁の配偶者
不可
可
被扶養者の年齢
その年の12月31日時点で16歳以上
75歳未満
通勤手当
非課税分を除く
入れる