オリオン税理士法人
その他税目

土地の固定資産税等の負担調整措置と課税標準額の据え置き


 令和3年度税制改正大綱では、固定資産税は市町村財政を支える基幹税であり、ウィズコロナ・ポストコロナにおいても、その税収の安定的な確保が不可欠であるとして、次の措置を講じると記載されています。

(1)負担調整措置の3年間延長
 固定資産税は、固定資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存する受益関係に着目した財産税であり、課税標準は適正な時価とされ、地方税法の規定により3年毎に評価替えが実施されています。
 現下の商業地の地価の状況をみると、感染症の影響により、令和2年7月時点では三大都市圏や地方圏の一部では上昇が続いている一方、全国では5年ぶりに下落に転じています。
 このような状況を踏まえ、宅地等及び農地の負担調整措置については、納税者の予見可能性に配慮するとともに、固定資産税の安定的な確保を図るため、令和3年度から令和5年度までの間、据置年度において価格の下落修正を行う措置並びに商業地等に係る条例減額制度及び税負担急増土地に係る条例減額制度を含め、現行の負担調整措置の仕組みを継続することとされました。

(2)課税標準の据え置き 
 感染症により社会経済活動や国民生活全般を取り巻く状況が大きく変化したことを踏まえ、納税者の負担感に配慮する観点から、令和3年度に限り、負担調整措置等により税額が増加する土地について前年度の税額に据え置く特別な措置を講じることとされました。
 具体的には次のとおりです。
 ① 宅地等(商業地等は負担水準が60%未満の土地に限り、商業地等以外の宅地等は負担水準が100%未満の土地に限る。)及び農地(負担水準が100%未満の土地に限る。)については、令和3年度の課税標準額を令和2年度の課税標準額と同額とする。
 ② 令和2年度において条例減額制度の適用を受けた土地について、所要の措置を講ずる

 上記改正とは別ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業・小規模事業者の税負担を軽減するため、事業者の保有する建物や設備の令和3年度の固定資産税及び都市計画税を、事業収入の減少幅に応じ、ゼロまたは1/2とする固定資産税等の減免制度があります。
 こちらについては原則として1月31日※までに市町村等に一定の書類の提出が必要となりますので、適用される方は早めの手続きが必要です。

 ※ 市町村によって2月1日の場合と1月31日の場合があるようですので提出市町村に別途ご確認ください

(T. I.)

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