国税庁のHPに4月1日付で、キャリード・インタレストを受け取る場合の所得税基本通達36・37共-19の適用について(情報)
がアップされています。
キャリード・インタレストとは、個人であるファンドマネージャーが組合員として運用する組合事業から出資割合を超えて受け取る組合利益の分配のことをいいます。
任意組合等の組合員の組合事業に係る利益等の額については、任意組合等の利益等の額のうち、分配割合について経済的合理性を有していないと認められる場合を除き、分配割合に応じて利益の分配を受けるべき金額等とすることとされています。
この文書では、金融庁からのキャリード・インタレストについての税務上の取扱いに関する照会について、貴見のとおりで差し支えないとの回答となっており、
具体的には、次のような要件に該当する場合には経済的合理性があるものとして、組合契約で定められた分配割合に応じた構成員課税の対象になるものと考えられるとされています。
【「組合契約」について】
①組合契約の締結及び組合財産の運用が各種の法令に基づいて行われていること
②ファンドマネージャーが金銭等の財産を投資組合に出資していること
【「利益の分配」について】
キャリード・インタレストについて、組合契約上、利益の分配を規定する条項に定められていること
【「経済的合理性」について】
① 組合契約に定めている分配条件が恣意的でないこと
② 組合契約の内容が、一般的な商慣行に基づいていること
③ ファンドマネージャーが投資組合事業に貢献していること
これにより、上記のようなキャリード・インタレストについては、組合事業の利益の内容に従い、所得を区分して申告することになります。
税制改正大綱でも記載があるのですが、これまでは役務提供の対価として総合課税の対象とされていたようです。
海外の資産運用会社や高度金融人材の国内市場参入を促す狙いのようです。
また、金融庁のHPでは、実際にキャリード・インタレストを受け取るファンドマネージャーが個人所得税の確定申告を行う際の利便性に考慮し、確定申告書の添付書類として利用可能なチェックシートや所得の計算書を公表する予定があるようです。
(T.I.)