令和3年度の税制改正にて、上場株式等の配当等を受け取った場合の個人住民税の申告が簡素化されることとなりました。
現行では、上場株式の配当を受け取った場合や上場株式の譲渡を行った場合において、
一番最適な税金計算を行うためには、配当等の所得を所得税では申告をして住民税では申告をしないといった選択をとる必要があります。
※所得によっては申告の有無の組み合わせは変わります。
そのため、
①所得税の申告書では、総合課税、申告分離のいずれかで申告を行う
②住民税の申告書では、申告不要の申告を行う
としなくてはなりません。
しかし、上記の場合ですと
・所得税と異なる課税をする場合に個人住民税の申告が必要
・個人住民税は電子申告に対応していない
・地方自治体によっては個人住民税の申告書の記載の仕方が異なる
(全ての所得について記載する、申告不要とする所得についてのみ記載する等)
となり、納税者、地方自治体の両社の事務負担が増えているのが現状です。
そこで、令和4年1月1日以後に提出する確定申告書については、確定申告書上で個人住民税の配当等の申告についての選択ができるようになりました。
これにより、納税者は申告書の提出が1度で済むといったことになります。
税金面に限らず、国民健康保険に加入されている方にとっては、翌年度の国民健康保険料の有利不利を選択するために個人住民税の申告を行う場合もあります。
※上場株式等の譲渡所得、配当所得を申告不要とした場合、国民健康保険料の算定対象とならないため。
会計事務所にとっても、確定申告の時期に1度の申告で済むこととなるので、こちらの改正はとてもありがたいものです。
y.s