新型コロナウイルスが落ち着き始め、2022年4月以降は簡易的な方法による確定申告の期限延長申請は認められなくなりました。
では、通常の申告期限の延長はどういったものが認められるのでしょうか。
1. 地域指定による期限延長
自然災害などの要因で申告・納付等をすることができない者に対し、国税庁長官の指定により期限を延長するものです。期限延長の申請手続を特別にすることなく、申告・納付等の期限が延長されます。新型コロナウイルスはこれに該当したものと思われます。
2. 対象者指定による期限延長
国税庁の運用するシステムトラブル等により申告・納付等の期限間際に使用不能であったことなどが要因で申告・納付等をすることができない者が多数に上ると認められる場合に、国税庁長官の指定により延長するものです。対象者は、期限延長の申請手続を特別にすることなく、申告・納付等の期限が延長されます。
3. 個別指定による期限延長
災害その他やむを得ない理由によって、期限までに申告・納付等ができないときは、納税地の所轄税務署長に申請することにより、その理由のやんだ日から2か月以内に限り、申告、納付等の期限が延長されます。
3の個別指定による期限延長は、納税者からの申請により認められるものです。
「やむを得ない理由」は、地震等の自然災害や家事等の人為的異常な災害などが該当します。そのため、単なる体調不良による入院等では該当しないこともあり、代理で申告ができるような状況だと承認されない場合もあるようです。
また、災害等の場合、「その理由がやんだ日」の判定が重要になります。この場合、「生活基盤がおおよそ整った日」と考えて差し支えないようです。ただし、いたずらに延長しないことをお勧めします。
個別指定による期限延長は、所轄税務署長への申請後、承認されることにより延長が適用されることになります。不確定な要素もあり、最終的には税務署の判断となるため、法定期限と申請のタイミングに留意され、慎重に検討されるのがよいでしょう。
(ari)