法人税の計算において、損金経理要件は重要なものです。
損金経理とは、法人がその確定した決算において費用又は損失として経理することをいい(法人税法2条25号)、会計処理において法人の意思をもって費用又は損失することにより法人税を計算する際にも損金とすることができるものです。
例えば、法人の減価償却費は、会計上費用(損金経理)処理することで法人税上も損金となります。
一方、収益はどうでしょうか?
損金に対して「益金経理」という言葉は法人税法上には存在しません。
法人の意思(収益として計上)とは関係なく、資産の販売等の時期に益金に算入されることになります。
ただし、継続的に収益計上することを要件に法人税法上の「役務の提供の日に近接する日」(法人税法 22 条の2第2項)として、益金算入時期が決定するものがあります。(法人税基本通達2-1-21の9、2-1-21の11)
益金の算入時期を決定するための間接的な収益計上の要件ではありますが、収益の計上が法人税の計算に影響を与えるものの一つです。
一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算される法人税では、会計処理との関りにより、税額が影響を受ける場合があります。
意図しない決算や税務調整にならないためにも、相互の関係には留意が必要です。
(ari)