オリオン税理士法人
法人税

役員退職金の分割支給


役員の退職金は高額になることが多いです。
一般的に役員退職金は功績倍率法などの方法で計算され、不相当に高額でない限り損金の額に算入することができます。

高額になることが多い役員退職金ですが、中小企業にとって余裕をもってその資金を準備することはそう簡単ではないと思います。
資金繰りを極端に悪化させず支給する方法として、分割支給する方法があります。

役員退職金の損金算入時期は、原則、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。
ただし、法人が退職金を実際に支払った事業年度において、損金経理をした場合は、その支払った事業年度において損金の額に算入することも認められます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5208.htm

上記から、支払った事業年度において損金経理を要件に損金算入できるため、分割して支払った場合においても支給時に損金算入が可能です。ただし、その分割期間が長すぎると、「退職年金制度」を実施しているように見えるため、留意が必要です。
分割支給を行う場合には、株主総会の議事録において、分割の内容を記し、あくまで資金繰り上の分割であることを明らかにすることも有益かと思います。

継続を前提とした法人では、役員の退職は必ず起こります。長年の功績を慰労しつつも、無理のない資金繰りで経営を継続していくことが必要になります。

(退職年金となった場合は、法人税の計算上は支給すべき時に損金算入となり、所得税の計算上退職所得から雑所得と所得区分が変わり税額に影響があります。)

(ari)

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