一般的に飲食料品の提供には軽減税率は適用されませんが、有料老人ホームや学校等の一定の施設において金額基準を満たす飲食料品の提供は、軽減税率の対象となります。
これまで、有料老人ホームや学校等で提供される食事で「一食640円以下、一日累計1,920円まで」の場合には、消費税の軽減税率(8%)が適用されていましたが、この金額基準が令和6年6月1日から「一食670円以下、一日累計2,010円まで」に引き上げられました(金額はいずれも税抜き)。
問80(有料老人ホームの飲食料品の提供)参照
03-01.pdf (nta.go.jp)
給食費の金額基準の見直しにより、例えば「一食650円」の食事では、5月31日までの提供分は一食640円以下の金額基準を超えるため標準税率(10%)の対象でしたが、6月1日以後の提供分は一食670円以下の金額基準が適用されるため軽減税率の対象となります。
また、「朝食・昼食・間食・夕食」が各500円、累計2,000円の場合、いずれも一食640円以下に収まりますが、5月31日までは朝食から夕食までの累計額が1,920円を超えるため、朝食・昼食・間食は軽減税率の対象となる一方、夕食には標準税率が適用されていました。一方、6月1日以後は、朝食から夕食までの累計額が2,010円までの金額に収まるため、4食全てが軽減税率の対象となります。
物価高と円安の影響からこのようなマイナーチェンジがされたものと解されますが、もう少し金額にバッファーを持たせないと事業者もこの金額の中で遣り繰りするのは難しいでしょうし、物価変動に応じて毎年金額基準を見直すのも混乱をきたすいのではないかと個人的には危惧しています。
(HIPON)