不動産の売却にあたり、「空き家特例」制度が適用できれば、税額面で大きなメリットを受けることができます。相続等により取得した居住用家屋等を売却した場合に、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができる制度で、相続等によって取得した土地建物の早期売却を促すものです。
空き家特例の適用にはいくつか要件がありますが、今回は「売却代金が1億円以下であること」という要件についてです。
都心の土地や広い土地を売却した場合、この要件も検討しなければなりません。複数階の建物がある場合や複数の建物がある広い土地の場合には、悩ましい要件です。
「1億円以下」の判定の範囲は、「一の建築物」のある敷地等になります。
例えば
① 店舗部分と居住部分が併用されている建物及び土地を売却した場合には、
・1億円以下の判定:売却代金全体
・空き家特例の対象:売却代金全体の内、居住用として利用していた部分の床面積の按分等
② 母屋と離れなどに分かれている広い土地建物を売却した場合には、
・1億円以下の判定:売却代金全体の内、居住用として利用していた部分の床面積の按分等
・空き家特例の対象:売却代金全体の内、居住用として利用していた部分の床面積の按分等
①の場合には、判定金額が大きくなることになりますので、留意が必要です。
(ari)
その他、空き家特例に関する記事はこちら!
空き家特例「一緒に介護施設に入所した場合」の留意点
更地引き渡しにより空き家特例を受ける場合の注意点
不動産の売買契約後、決済前に亡くなった場合の留意点
小規模宅地等の特例と空き家特例の要介護認定等の違い等