令和6年4月に消費税法等の一部が改正されました。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/r06kaisei.pdf
<主な改正事項>
1.消費税のプラットフォーム課税の創設
令和7年4月1日以後に国外事業者がデジタルプラットフォームを介して行う消費者向け電気通信利用役務の提供で、かつ、国税庁長官の指定を受けた特定プラットフォーム事業者を介して当該役務の提供の対価を収受するものについては、当該特定プラットフォーム事業者が、当該役務の提供を行ったものとみなして、申告・納税を行うこととされました。
2.国外事業者等における事業者免税点制度の特例等の見直し
①国外事業者における「特定期間の課税売上高による納税義務の免除の特例」の見直し
令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、国外事業者については、特定期間における課税売上高1,000万円の判定を、給与等支払額の合計額により行うことはできないこととされました。
②外国法人が国内において事業を開始した場合の納税義務の免除の特例の見直し
令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、その事業年度の基準期間がある外国法人が、当該基準期間の末日の翌日以後に、国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した場合には、当該事業年度は基準期間がないものとみなすこととされました。
よって、その課税期間については新設法人の納税義務の免除の特例および特定新規設立法人の納税義務の免除の特例による納税義務の有無の判定が必要となります。
③「特定新規設立法人の納税義務の免除の特例」における判定対象者に係る金額基準の見直し
令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、特定新規設立法人の納税義務の免除の特例における「判定対象者」の「基準期間相当期間」における課税売上高判定につき、課税売上高が5億円を超える場合又は売上金額、収入金額その他の収益の額の合計額が、国外におけるものも含め50億円を超える場合とされました。
④恒久的施設を有しない国外事業者における簡易課税制度及び2割特例の適用の見直し
令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、その課税期間の初日において恒久的施設(PE)を有しない国外事業者は、簡易課税制度及び適格請求書発行事業者となる小規模事業者に対する税額控除に関する負担軽減措置(2割特例)の適用を受けられないこととされました。
3.金又は白金の地金等を取得した場合の事業者免税点制度等の制限
課税事業者が、簡易課税制度又は2割特例の適用を受けない課税期間中に金又は白金の地金等の仕入れ等(令和6年4月1日以降に行う課税仕入れ等)を行い、それらの仕入れ等の金額の合計額(税抜金額)が200万円以上である場合には、当該仕入れ等を行った課税期間の翌課税期間から、当該仕入れ等を行った課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、納税義務が免除されないこととされました。(簡易課税制度選択届出書の提出も制限あり)
4.免税事業者等からの仕入れに係る経過措置の適用の制限
令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、一の免税事業者等から行う経過措置(80%控除・50%控除)の対象となる課税仕入れの合計額(税込金額)がその年又は事業年度で10億円を超える場合には、その超えた部分の課税仕入れについて、経過措置(80%控除・50%控除)の適用を受けることができないこととされました。
5.免税購入品と知りながら行った課税仕入れに係る仕入税額控除の制限
事業者が、輸出物品販売場で消費税が免除された物品(免税対象物品)であることを知りながら、当該物品を仕入れた(令和6年4月1日以降に行う課税仕入れ等)場合、当該課税仕入れに係る消費税額について、仕入税額控除の適用を受けることができないこととされました。
(小林)