給与計算担当者の方は、今年の6月~スタートする
月次減税処理の方法について、様々調べておられるかと思います。
一人「所得税3万円、住民税1万円」、扶養している人がいれば、その人数分、減税額が増額される
いま、話題の定額減税ですが、非常に煩雑で給与計算担当者の頭を悩ませている事と思います。
例えば…
源泉徴収で定額減税を受けるのは、主たる給与の支払者のもとで行われるので
「6月1日時点で会社に在籍している甲欄の人」
つまり、扶養控除申告書の提出があった方(甲欄の人)は
扶養の人数も提出された扶養控除申告書に則り、減税額を計算把握すれば大丈夫
と思ったら、ダメ!!
所得控除の要件と定額減税の要件に相違があるため、別途、定額減税の計算で考慮する扶養親族を把握する必要がある。
(例)所得48万円超95万以下の配偶者特別控除を受ける配偶者は、「源泉控除対象配偶者」として記載があるが、月次減税事務上、定額減税の対象外。つまり、月次減税額に配偶者分として3万円を加算してはいけない。
合計所得金額1805万円以下でないと、定額減税は受けられない(年収ベースだと2,000万超)
高所得者は対象外と思っていれば、大丈夫
と思ったら、ダメ!!
月次減税段階では「本人分+扶養親族分」で一律定額減税し
合計所得が確定する12月31日段階、つまり、年末調整もしくは確定申告で
既に減税があった分をなかった事にする。
年度末までに扶養の人数が変わったから、減税額を変更する
と思ったら、ダメ!!
変更があっても、月次減税の段階では変更せず、年末調整で清算を行う。
などなど、落とし穴がいくつもあり、とても注意が必要なのです。
ひとまず、6月になる前に、必ず確認しておきべき事項2点をお伝えします。
①定額減税の対象者をあぶりだす
・令和6年分の所得税の納税者である事
・居住者であること
(日本国内に住所を有する個人または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人のこと)
・令和6年分の所得税にかかる合計所得金額が1805万円以下である人
②減税額の把握(扶養親族の人数等を確認し、減税額を計算しておく)
・本人:30,000円
・同一生計配偶者及び扶養親族:一人につき30,000円
(住民税は賦課課税方式のため今回は考慮外とします)
なお今回、月次減税事務の便宜のため、扶養人数や減税額を把握、記録する
「各人別控除事績簿」作成について、国税庁の「定額減税のしかた(マニュアル)」に記載がありますが、こちらについては、義務ではないそうです。
参考:https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/yoshiki.htm
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参考になるサイトのリンクを以下に貼ります。
「令和6年分所得税の定額減税Q&A」については
4月11日に改訂されたばかりで、まだまだ6月までに改訂があるのではないかと思います。
慌てないために、今から少しずつ情報収集および準備を進めておきましょう!
●定額減税 特設サイト:
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm
●給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0023012-317.pdf
●住民税:「個人住民税の定額減税(案)に係るQ&A集」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000926356.pdf
●所得税:「令和6年分所得税の定額減税Q&A」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf
K.K.K