12月中旬には与党税制改正大綱が公表されます。
それに向けて、テレビや新聞でも来年の税制改正が話題になることも多いです。
岸田政権は扶養親族を含む一人当たり4万円を所得税・住民税から減額する「定額減税」を
目玉にして人気回復を図ったようですが・・・、
国民に見透かされたようで支持率にはつながっていないようです。
今朝のニュースでも
児童手当を高校生まで延長する一方で
高校生の扶養控除を廃止にしようという動きが
結局、「手当と増税で行って来い」になり、政策の意図を感じないと批判を浴びていました。
法人に向けては賃金アップを促すために
賃上げ促進税制という措置法があります。
分かりやすく言うと、前年比で増加した賃金の15%~40%を法人税額から控除できる制度です。
この制度、大盤振る舞いに見えますが、
結局、法人税の2割を上限としています。
例えば、従業員の賃金が年間通じて100万円アップした場合、
法人税から15万円(100万円×15%)控除することができますが、
仮に法人税が20万円の場合、その2割の4万円までしか控除することが出来ません。
中小企業でも賃上げを積極的に実施している企業は多数ありますが
結局法人税の2割までしか控除できなければ、賃上げの効果も薄くなります。
控除しきれない額は1年間繰越すことが出来るよう(翌年の法人税から控除する)に
改正することを検討しているようですが、
継続的な賃上げを促すのであれば、やはり法人税の2割という上限を外してほしいところです。
税理士にすると
国は、国民の批判をかわしつつ増税したい、という意図から
小手先の改正や経過措置を毎年ちょっとずつしてくるので、
事務処理が増えてしまい、それも頭を悩ませてしまいます。
日本の将来を見据えた、大局的な政策とそれに伴う税制度を期待したいところです。
水品