税理士法人に勤める者として、税金の計算には特に気を遣うことが多いです。
実際に申告書を作成する際には、ソフトを使った申告書作成とともに検算として、電卓で再計算したり、エクセルを使用して再計算したりと、税額のチェックをします。
ところで、消費税は国税分の消費税と地方消費税に分かれますが、地方消費税は以下のように計算することができます。
地方消費税額=消費税額(国税分)× 22/78
例えば、国税分が19,500だった場合の計算式は当てはめると以下のとおりです。
19,500 × 22/78
前から素直に計算してしまうと、地方消費税額は5,500になります。
しかし、正しい地方消費税額は5,400。ここで100合わない!となります。
① 計算の順序
地方法人税の計算では、まず地方消費税の税率を先に算出します。つまり、22/78を先に計算後、 19,500を乗じます。
19,500 × (22/78)= 5,499.99999… ⇒ 5,400(円未満切り捨て)
計算の順序については、条文に則った上記の計算を行う必要があります。
② エクセルの計算の罠
電卓で①を計算すると、5,400になることは確認が取れます。しかし、エクセルで検証するとどうでしょう。お持ちの方はご入力されてみてください。
=19500*(22/78)
計算結果は、端数もなく5,500ぴったりになります。100合わない!
エクセルでは、(22/78)のように延々と続く小数点以下は一定のところで処理されてしまうようで、正しい計算式を入力しても、このような計算結果になることがあります。
地方消費税額の計算の場合は、国税分の消費税額が3900の倍数になるときにこの現象が起きます。
②は特にマニアックな事例ですが、実際に出会うと金額が合わず困ります。生涯出会うかわからない3900の倍数ですが、エクセルで検算をされる方は頭の片隅に入れておくと、もしもの時に慌てずにすむかもしれません。
(ari)