宗教法人は一般的な株式会社や有限会社、合同会社等とは異なり、法人税では公益法人等に分類されるため、取り扱いも異なります。その中で、宗教法人を設立した際に責任役員が土地を法人に寄付をしており、この度法人が解散をする際に、その寄付をされた土地を責任役員に返還する際の課税関係はどうなるのかという事についてですが、結論は、
法人税法では、その土地を収益事業のように供していた場合には収益事業に係る部分について資産の譲渡として課税される(別段の定めあり)
※ただし、法人税法基本通達(15-2-10)収益事業に属する固定資産の処分損益で、相当期間にわたり固定資産として保有してきた土地、建物または構築物につき、除却その他処分をした場合におけるその処分にかかる損益は収益事業に含めない事ができるという通達があります。
https://www.zeiken.co.jp/hourei/HHHOU000030/15-2-10.html
所得税法では、その土地の一時所得としてその土地の移転時の価格で課税される。
という事になります。但し前提としまして、宗教法50条で規定されているように、「宗教法人の財産処分については、規定で定めたところにより処分し、その定めがない時は他の宗教団体または公益事業の為にその財産を処分することができる」とある為、規定を意向に沿って作成することにもご留意ください。(TI)