オリオン税理士法人
所得税

国外居住親族に係る扶養控除等の見直しについて


令和5年1月から国外居住親族に係る扶養控除等の見直しが行われております。

今回の改正前に、平成27年度の税制改正で、非居住者である国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合において、親族関係書類と送金関係書類の二種類の書類を提出または提示しなければならないこととされました。

親族関係書類とは、下記のいずれかの書類で国外居住親族が申告者の親族であることを証明するものをいいます。
・戸籍の附票の写しその他の国または地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券の写し
・外国政府または外国の地方公共団体が発行した書類
(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所または居所の記載があるものに限る)
なお、親族関係書類は、原本の提出または提示が必要です。
また、書類が外国語で作成されている場合は翻訳文が必要となります。

送金関係書類とは、下記のいずれかの書類で、申告者がその年において国外居住親族の生活費または教育費に充てるために各人に支払ったことを証明する書類。
・金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類(外国送金依頼書の控え)
・クレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族が使用するために発行されたクレジットカードで、利用代金を申告者が支払うこととしているもの
(クレジットカードの利用明細書(家族カード))

*なお、扶養親族が複数いる場合は、各人への送金関係書類が必要です。
代表者への一括送金や、現金での支払いは認められません。

今回は、対象となる親族の年齢要件が改正されております。

国外居住親族とは、非居住者である親族に該当する者をいいます。

親族の範囲は、民法の規定による親族であり、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族とされています。

扶養控除となる国外居住親族(今回改正点)
令和4年12月まで
・・・・16歳以上

令和5年1月より
・・・・
日本国外に居住する30歳以上70歳未満の親族のうち下記の1~3のいずれにも該当しないものは、
扶養控除の適用対象外となります。
1 留学により非居住者となったもの
2 障がい者
3 扶養控除を申告する者から前年における生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けているかた

つまり、
16歳から29歳まで         
30歳から69歳まで(上記1から3のいずれかに該当するもの)
70歳以上となります。
*親族の年齢については、その年12月31日の現況により判定するものとする。

外国人を雇用している企業も増加しているので年末調整の際は、取り扱いに注意しましょう!

ビッキー

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