通常、免税事業者が新たに課税事業者となる場合、
その課税事業者となる前日において所有する棚卸資産(※)が、
納税義務が免除されていた期間中の課税仕入れ等に該当するのであれば、
課税事業者となった期間の課税仕入れの額にすることができる。
というルールがあります。
(※)棚卸資産 … 商品・製品・半製品・仕掛品・原材料・貯蔵品をいう
インボイス制度開始によって、新たに課税事業者になることを選択された事業者も
多くいらっしゃるかと思いますが、このような方々も例外ではありません。
国税庁は以下のように発表しています。
2 経過措置期間における棚卸資産に係る消費税額の調整規定の見直し
消費税改正のお知らせ ー Ⅳその他の改正
免税事業者である期間において行った課税仕入れについて、適格請求書発行事業者から行ったも
のであるか否かにかかわらず、免税事業者が課税事業者となった初日の前日において有する棚卸資
産に係る消費税額の全額について、仕入税額控除の適用を受けることができることとされました。
つまり、インボイス制度開始に伴い、免税事業者から課税事業者になることを選択された方々は、
課税事業者となる前日(令和5年10月1日から課税事業者になる場合は9月30日を指す)において、
所有している棚卸資産の全額をインボイスの有無に関わらず、全額を仕入税額控除とすることができる。
ということです。
全額控除になりますので、インボイスがなくても、経過措置(80%)の影響は受けません。
この処理や認識が漏れてしまうと、本来控除できたはずの消費税を余計に支払うことになってしまいますので、
今まで消費税とは無縁だった事業者の方は、注意して処理していきましょう。
参照:国税庁ーNo.6491免税事業者が課税事業者となった場合の棚卸資産に係る消費税額の調整
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