オリオン税理士法人
消費税

インボイスと下請法


 インボイス制度の開始が近づいてきました。
 インボイス制度が始まると、インボイスが発行された支払いのみ仕入税額控除が認められます。インボイスの登録事業者は、制度開始向けて準備をされていると思いますが、免税事業者に対する対応は、下請法等の規制にも注意しなければなりません。

 下請法は、自社の資本金が1千万円を超える会社(親事業者)が一定の取引をしている場合、その下請け取引に関して、親事業者に義務や禁止事項(買いたたきの禁止や下請代金の減額の禁止など)の規制がかかるものです。
https://www.jftc.go.jp/shitauke/shitaukegaiyo/gaiyo.html

 親事業者が免税事業者であった下請け会社と取引をしていた場合、インボイス制度の登録を促したり、消費税分の価格交渉が行われたりすることが想定されます。どちらの行為も、すぐさま規制の対象となるわけではありませんが、親事業者の「優越的地位の濫用」行為がある場合には、規制の対象になります。

 例えば、次の場合などが禁止事項に該当する可能性があります。
① インボイス制度への登録した下請け会社に対して、免税事業者であることを前提とした価格から、価格交渉に応じず一方的に価格を据え置いて発注する場合(⇒買いたたきになる可能性がある)
② インボイス制度に登録しなかった下請け会社に対して、登録していないことを理由に、消費税相当額の一部または全部を一方的に値引きする(⇒下請け代金の減額になる可能性がある)

 いずれにしても、下請け会社に対して一方的に価格を決定してしまうことは、下請法の禁止事項に該当する可能性があります。
 外注を利用している会社も多いと思いますので、インボイス制度の開始に向けて、下請法も確認されるとよいと思います。
https://www.jftc.go.jp/invoice/

(ari)

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