1年の間に、居住用家屋を複数回譲渡した場合に居住用財産の3,000万円特別控除は、何れにも利用可能でしょうか?
結論から言うと、一定の要件を満たす場合には、何れの居住用財産についても3000万円特別控除の利用は可能となります。
ただし、3000万円を限度とするため、短期所有期間の売却益から優先して特別控除を利用し、控除しきれなかった枠を長期所有の売却益から控除する等する必要があります。
参照URL 同一年中に居住用財産を2回譲渡した場合|国税庁 (nta.go.jp)
それでは、日本の非居住者が帰国するに際して、国外で居住した家屋を処分し、日本に帰国後に購入した自宅家屋も同一年内に売却処分した場合にはどうなるでしょうか?
国外不動産であったとしても、居住用家屋の3000万円特別控除の利用は可能なことから、上記で説明した通り何れの居住用家屋についても適用可能となりますが、
留意する点として、日本に帰国前・後の何れのタイミングで売却するかは留意が必要です。
帰国前であれば、日本の非居住者に該当するため国外財産の売却について日本で課税されることはありません。
他方、帰国後に国外財産を売却する場合には、日本の居住者となり、所得税法は全世界課税を原則としているため、日本において申告義務を要することになります。(国外でも課税されている場合には、二重課税にならないように日本の所得税等を上限に国外で課税された税額を控除する外国税額控除が可能となります。)
参照URL No.1932 海外勤務中に不動産を売却した場合|国税庁 (nta.go.jp)
参照URL No.1935 海外勤務者が帰国したときの確定申告|国税庁 (nta.go.jp)
控除の上限は3000万円になりますので、不利にならないように国外財産を帰国前に処分するか、帰国後に処分するか留意する必要があります。
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